第3話 大会が近いので何とかしてください

こんにちは、西条駅前徒歩30秒のボディバランス整骨院【走る院長】廿日出(はつかで)です。今回もスポーツを頑張るお子様にありがちな身体の話を書きます。

問題❸「出る」「出ない」の境界線

当院にはスポーツをする児童・学生・生徒がたくさん来ます。学生アスリートにとって大会出場は日頃の成果が発揮できる大切な舞台です。しかし、この舞台を前にして怪我や故障で来院される学生アスリートも多いです。

私自身マラソン大会などに出場しているので、ハプニングやトラブルに遭遇した時の焦りや不安な気持ちはとても理解できます。出来る事なら何とかして出場させてあげたいと思い、治療技術向上の勉強を欠かしません。その結果「病院へ行ったら ″休みなさい 〟としか言われなかった」「″大会に出るなんてあり得ない〟と怒られた」などで困っている学生アスリートを早期治癒・早期復帰させ大会に間に合わせてきた実績もあります。

しかし、出場断念を説得したりするケースもあります。今回は当院で【出場を応援する】時と【辞退を勧める】時の境界線はどこにあるのかについて書いてみますね。

|境界線❶痛みの原因は何か?


どの組織をいつから痛めたのか?によって治癒の見通しが変わります。例えば慢性の筋膜性疼痛と、腫れ上がった新鮮な捻挫だと後者の方が治癒には時間がかかります。この見極めを行っています。また大会当日までしっかり通院できるのかどうか?も大事な要素として事前に伺っています。

|境界線❷主役は誰か?


当院では子供本人と良く話をします。その結果「顧問に怒られるので出ないといけない」「親が期待してるから出ないといけない」などの理由で大会出場を焦る子供さんが居ます。誰の満足か分からない状態ですね。この場合、「この子の人生の主役は子供自身」と言うことを念頭に、保護者や指導者など関係者に向け対応しています。

|境界線❸状況はどうか?


出場した時・回避した時の各リスクとメリット、緊急性と重要度のバランスについてご家族交えて対話をしています。中学1年生の春の故障と、中3の引退を控えた全国大会予選前の故障とでは、関係者皆で負うリスクは変わってきます。

|境界線❹未来はあるか?


子供自身や保護者が、長期的目標をどこに置いているのか?についても話し合うようにしています。❸と矛盾するようですが「高校でも活躍したいので中3の引退試合でも回避する」という決断になることもあります。

「先生!大会前なので何とかしてください!」とお越しになる患者さんにとっては、その希望が叶ったとき「先生凄い!」と持ち上げてくれますが、一番大事なことは、怪我や故障をキッカケにして、これまでの習慣を見直せたかどうか。だと思っています。

プレイ中の突発事故や怪我はさておき、練習の積み重ねで起きた故障、ケア不足から来る慢性の故障などは、今回のハプニングを押し切って出場できたとしても早晩再発し競技の成績も伸び悩みます。保護者も魔法の杖を探すより日々の良い習慣を積み重ねる協力をなさってください。


ボディバランス整骨院 院長
BBR(ボディバランス★ランナーズ) 主宰 廿日出庸治

*柔道整復師/カイロプラクター/キネシオテーピング指導員
*西条駅前徒歩30秒にボディバランス整骨院を開院して23年。
*登録者1,100名のランニングコミュニティを主宰
*“走る院長”として100m~100キロまで走るランナー

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