
おしえて!監督 中学生軟式野球チーム「伯和ビクトリーズシニア」
東広島市で唯一の社会人野球チーム「伯和ビクトリーズ」から生まれた、中学生向けの軟式野球のクラブチーム「伯和ビクトリーズシニア」。シニアの監督はなんと中学校の先生。
野球の技術だけでなく、運動や学びのサポートもある新しい形のクラブチームです。指導者の二人に、チームの様子や大切にしていることを語り合っていただきました。
子どもたちが野球を続けられるように社会人チームと先生の思いが一致
北舛さん 伯和ビクトリーズは、伯和グループという企業が運営する社会人チームです。地域の人に必要とされるチームを目指して地域活動に力を入れる中で、野球をする子どもたちのためにできることも探していました。それがシニアをつくるきっかけになっています。私自身、子どものころから野球をしてきました。中学生までは軟式を頑張っていたのに、高校では硬式へ切り替わることに戸惑った経験がありました。スムーズに移行できる環境を整える必要があると感じていました。
河野先生 私は中学校の教師として、野球 部の顧問もしてきました。中学生は教員 で運営する中体連の全国大会に向けて、 一生懸命に頑張ります。中学3年生の夏 に大会が終わると、高校に入学するまで 野球をする機会がなくなります。県外で は3年生限定の選抜チームをつくり、野 球を長くできるようにする取り組みも見 られました。子どもたちが野球を続けら れる環境をつくりたいという思いが、北 舛さんと一致したんです。 北舛さん 選抜チームをつくり1 0年ほど 運営しました。選抜チームという形では 野球人口や野球をする機会を増やすとい う目的が果たせないと感じ、チームのあ り方を再検討。通常活動するクラブチー ムを立ち上げることにしました。
多様なかかわりで3つの力 野球だけでなく学習の時間も
北舛さん 伯和ビクトリーズシニアの監 督は河野さん、学校の先生です。全国でも 珍しい形です。毎週土曜日の2時間、講師 を招いて数学と英語の勉強をしています。 学校っぽいと言われることがあります。 河野先生 中学生は、強さへのあこがれと ともに心のもろさも併せもっています。 シニアは、野球を通じて人間形成する場 を目指しています。そのために、3つの力 を育むことを意識しています。1つ目、他 者に認められる「自己存在感」。2つ目、 お互いの良さを認め合う「共感的人間関係」。3つ目、自分で決めて進める「自己決定」。個人的には、学校の部活動はこれら3つの力を育む環境の理想の形だと思っています。例えば野球部が試合に勝ったとき、教室でバスケ部やバレー部の友達が祝ってくれたり、担任ではない専門科目の先生が声をかけてくれたりします。言葉1つ1つが自己存在感につながります。部活動にはクラブチームとは比べものにならないほど、多様で深いかかわりがあります。
地域の人に応援されるチームに

北舛さん 練習場の近くで社会人の野球選手が練習をしています。シニアの子どもたちは現役選手やOBに声をかけられたり、スポーツクラブの会員さんとの挨拶や、スポーツクラブ主催のイベントで地域の人との交流もして、シニアでは、部活動と似たかかわりが持てるように工夫しています。
河野先生 地域の人に「頑張れよ!」と声をかけてもらえるようなチームになるといいですね。
北舛さん 子どもたちが成長しやすい環境づくりを一緒に頑張りましょう!
スポラブ読者のみんなへ
北舛さん 野球をするときは勝ちにこだわります。ただ、勝ったからすごい、レギュラーが偉いわけではありません。スポーツを頑張っている皆さん、一緒に頑張る仲間やサポートしてくれる保護者の皆さんやチームスタッフへの感謝の気持ちを持てる人になってください。
河野先生 中学生の3年間、自分の将来をしっかりと考えてください。あなたが決めた進路を実現するために、私たちは全力でサポートします。野球を頑張ることも、進路に悩むのも高校受験も、成長するための大切な経験にしてください。
\夢に向かってがんばります/


野球を通じて子どもたちの人間的な成長をサポートします!
伯和ビクトリーズ硬式野球部
副部長 シニア代表
北舛 宏喜 さん
周囲の大人達や仲間とかかわることで、
野球技術だけでなく3 つの力を育みます
伯和ビクトリーズシニア
監督(現在 中学校非常勤講師)
河野 洋一 先生

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