四つのタイプから「伸びる力」を見つけよう ~Lesson10~

井「練習のやり方を変えたい」「違うポジションに挑戦したい」―そんな子どもたちの”やってみたい!”という声に、大人はどう応えたらいいでしょうか。
今回は、成長していく子どもに見られる特徴を、4つのタイプに分けて考えてみましょう。

(井上)
このタイプは、自分の考えをしっかり持っていて、人の意見に流されにくい子です。見方を変えれば「自分の芯がある」とも言えます。

(米澤)
でも、みんなで活動するときには、うまくなじめないこともありますね。

(井上)
ここで大事なのは、「わがまま」と「こだわり」の違いです。ふだんから友だちにやさしくしたり、助けたりしている子が「やってみたい!」と言えば、まわりも「応援しよう」と思ってくれます。でも、いつも自分のことばかりで、まわりを気にしない子が「やってみたい!」と言うと、「わがまま」と思われてしまうこともあります。

(米澤)
つまり、自分のためだけに話す子は「わがまま」に見えやすくて、まわりのことも考えて話す子は「こだわり」として受け止められるんですね。

親の関わり方
■まずは気持ちを受け止めて、「どうしたいの?」と聞いてみましょう!

(井上)
このタイプは、大人の言うことをよく聞いて、まじめに行動する子です。先生やコーチからも好かれやすいですね。

(米澤)
きちんと動いてくれるので安心ですが、自分から新しいことに挑戦するのはちょっと苦手かもしれません。

(井上)
基本を覚える時期にはとても大切なタイプですが、自由な発想が必要な場面では、少し手助けが必要ですね。

親の関わり方
■「次はどうしてみようか?」と声をかけて、少しずつ自分で考えるきっかけをつくってあげましょう!

(井上)
これまでの経験をもとに、自分に合ったやり方を選んで行動できる子です。

(米澤)
まわりと協力しながら、安定した力を出してくれるので、大人も安心して見守れますね。ただ、新しいことに挑戦するときには、自信が足りないこともあります。

親の関わり方
■うまくいった時も、うまくいかなかった時も、一緒にふり返って、自信を育てていきましょう!

(井上)
このタイプは、好奇心が強くて、自分なりのやり方をどんどん見つけていく子です。大人から見ると「勝手にやってるな」と思うこともありますが、実はこのタイプが一番成長する力を持っています。自分で考えて、行動できるからです。

(米澤)
試合で活躍したり、大人になってからも力を発揮したり――そんな場面では、このタイプが目立つことが多いですね。

親の関わり方
■失敗しても責めずに、「挑戦したこと」をしっかり認めてあげましょう!

(井上)
どのタイプにも、いいところと課題があります。大切なのは、子どもがどんな目標を持っているのかを、大人が理解してあげることです。

(米澤)
「やってみたい!」という気持ちが、「わがまま」になるか「こだわり」になるかは、ふだんの行動やまわりとの関係で変わってくるということですね。

(井上)
子どもの”やってみたい”の奥には、「認めてほしい」という思いがあります。その気持ちを受け止めることが、子どもが成長する力につながります。親としては、ただ否定するのではなく、その子の背景を見てあげてください。誰が「やりたい」と思っているのか――を考えながら寄り添っていきましょう。子ども目線の成長を、あたたかく応援していきましょう。


井上 恭治

Ino sun Act 代表
地域コミュニティバスドライバー


・日本スポーツコーチング協会認定コーチ
・元小中学校保健体育科教諭
・日本陸上競技連盟公認コーチ
・東広島市陸上競技協会 理事長

米澤 和洋

ATHER Sports Performance 代表

・NSCA 認定
 ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
・NSCA 認定パーソナルトレーナー
・日本スポーツ協会認定
 アスレティックトレーナー(JSPO-AT)

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