第10話 爪が教えてくれる我が子のコンディション

今回は爪が発するSOSサインの見分け方と、その対策について詳しく解説します。

\今回のテーマ/

「うちの子、最近なんだか元気がない…」でも本人に聞くと『大丈夫!』の一点張り。そんな経験はありませんか?ジュニアアスリートにとって大事な栄養状態を、以前ご紹介した「便」よりも手軽に毎日チェックできるのが「爪」です。

爪の中央がへこみ、先端がスプーンのように反り返っていませんか?
これは典型的な「鉄欠乏」のサインです。鉄は、全身に酸素を運ぶ血液中のヘモグロビンの主成分。いわば、身体という工場に資材を運ぶトラックのようなものです。
鉄が不足すると、筋肉に十分な酸素が届かず、エネルギーを作り出せません。その結果、持久力の低下やスタミナ切れに直結します。「最近、練習の後半でバテるのが早いな」と感じたら、まずはお子さんの爪の形をチェックしてみてください。

爪にポツポツと白い斑点が現れるのは、タンパク質の合成や免疫機能に関わる「亜鉛不足」が考えられます。
亜鉛は、新しい細胞を作り出す際に不可欠なミネラル。不足すると、練習で傷ついた筋肉の修復や、すり傷・切り傷といった怪我の治りが遅くなる可能性があります。
練習量に対して、食事からタンパク質(肉・魚・卵など)がしっかり摂れているか見直すキッカケになります。

爪がすぐに欠けたり、層のように剥がれたりしていませんか?
これは、爪そのものを作る「タンパク質不足」が疑われます。私たちの身体は、生命維持に重要な内臓から優先的に栄養を使います。爪や髪といった末端まで栄養が届いていないということは、身体の”材料”そのものが足りていない証拠です。「爪くらい」と侮ってはいけません。
身体づくりの基本が揺らいでいる危険なサインと捉えましょう。

これらのサインに気づいたら、まず食生活を見直してみてください。鉄分豊富なレバーや赤身肉、亜鉛を多く含む牡蠣や牛肉、そしてタンパク質の宝庫である卵や魚を、バランス良く食卓に並べてあげることが大切です。しかし、複数のサインが長く続いている場合、それは単なる栄養不足だけでなく、食べたものをうまく消化・吸収できていないという、身体の根本的な問題が隠れている可能性もあります。

「サボっている」と決めつける前に、一度立ち止まって身体の声を聞いてあげること。そして不安な時は、私たちのような専門家にご相談ください。お子さんの未来を守れるのは、一番近くで見ている保護者のあなただけなのですから。


ボディバランス整骨院 院長
BBR(ボディバランス★ランナーズ) 主宰 
廿日出庸治

*柔道整復師/カイロプラクター/キネシオテーピング指導員
*西条駅前徒歩30秒にボディバランス整骨院を開院して23年。
*登録者1,100名のランニングコミュニティを主宰
*“走る院長”として100m~100キロまで走るランナー

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