楽しむことで成功への道が拓く目標を見つけて前へ

アスリートインタビュー#5 アーチェリー 河田悠希選手

2020東京オリンピックアーチェリー競技男子団体で銅メダルを獲得した河田悠希選手。
中学生で世界大会出場、高校生では全日本選手権制覇と活躍し続けているエースです。しかし、大学時代にはナショナルチームを外れるという悔しい経験も。そんなときでも前に進むことをやめなかった、河田選手の原動力とは?
河田悠希選手

悔しい経験のおかげで本気になれた

アーチェリーを始めたきっかけは?

河田 小学1年生のとき、お祭りでアーチェリーを体験しました。見たことのない道具を使うのが面白くて、的に当てると気持ちよくてかっこいいなと思いました。それから週1回、母が運転する車で約30分かけて佐伯国際アーチェリーランドに通うようになりました。

本気になったタイミングは?

河田 小学5年生で祖父に弓を買ってもらってからです。土日にも練習をするようになりました。

6年生のときに出場した廿日市市で行われた全国大会予選では、ぶっちぎりの1位。ところが決勝では、1歳下の仲間に負けてしまったのです。その悔しさが「もっと強くなりたい!」という目標を持たせてくれました。
強くなるために、中学校は学区外でアーチェリー部のある佐伯中学校に進学しました。1年の360日、練習をしていました。

強くなるための練習は?

河田 ひたすら打ち込んでいました。特別な練習はしていません。気を付けていたのは、自分の狙いと当たった場所が一致しているかどうかです。例えば、打ち方をミスしたのに真ん中の10点に当たったら、それは成功ではなくミスだからです。

筋トレやストレッチといった練習はあまりしていません。ただ日体大でスポーツが上達するコツを学んで分かったのですが、小学1年生という何でも吸収しやすい時期に、正しい動作を身に着けることができたことが、アーチェリー選手としての可能性を大いに広げてくれました。

チームメイトの岩田歩選手とともに

失敗を成長につなげる

ミスをしたときの対処法は?

河田 ミスはできるだけすぐに忘れます。いつまでも引きずっていたら、プレーに響きます。ただ、なぜミスをしたのかは考えます。失敗したから自分はダメだと思うんじゃなくて、失敗から学ぶ気持ちでいることで成功への道が拓けると思っています。

練習場は静寂がただよう

新しい目標で自分を引き上げる

夢が叶わず落ち込んだときは?

河田 大学4年生のとき、高校2年生から連続で選ばれていたナショナルチームから外されました。初めて練習をさぼってしまうほど落ち込み、アーチェリーをやめようかとも思いました。

でも、東京オリンピックが近づいていました。小学生のころから持ち続けてきた「オリンピックに出る」という目標を思い出しました。自分を変えなくてはいけないという思いがふつふつとわいてきました。

ロビンフッドのよう

これからの夢は?

今はまだ銅メダル1つです。2028年のロサンゼルスオリンピックで、金メダルを獲得することが目標です。その時は31歳になっていますが、自分ならできると信じています。目標を持つことで頑張ることができるし、夢を言い続けることは力になります。

スポラブ読者にメッセージを

河田 今もアーチェリーを続けているのは、楽しくアーチェリーをしてきたからだと思います。もし、やらされていたら、もっと早い段階でやめていたはずです。そして、母が毎日送迎してくれたから続けることができました。

みんなもまずは今取り組んでいるスポーツを思う存分楽しんでほしいと思います。

結果が出てくると悔しかったりうれしかったりで自然と目標が生まれ、そこに向かって頑張ることができるようになります。みんなを応援しています!


2020東京オリンピック アーチェリー代表 男子団体 銅メダル
エディオン 河田悠希選手

広島県廿日市市出身。1997年6月16日生まれ。
廿日市市立地御前小学校から、学区外のアーチェリー部がある佐伯中学校へ。
佐伯高校、日本体育大学を経て、株式会社エディオンアーチェリー部に所属。
高校2年生のとき、史上最年少で全日本選手権で優勝。
2020東京オリンピック銅メダリスト。男4人兄弟の長男。
最近はまっていることは釣り、映画鑑賞、温泉。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。